顕本寺ブログ

隆達節の真実~第7回隆達忌講演会~

第7回隆達忌講演会(2018 11 10)

 11月3・4・10・11日の4日間に亘って開催されました「秋季堺文化財特別公開」が無事終了致しました。準備や当日運営でお世話になりました関係各位の方々、そしてお越しいただいたたくさんの方々に感謝です!

 当山では本公開に合わせて、11月10日に第7回隆達忌講演会を開催致しました所、例年よりたくさんの御参加をいただき、本当に有り難く思っております。

 さて今回の隆達忌では前6回と同じく大阪教育大学の小野恭靖先生にご講演を賜りました。「顕本寺蔵の隆達節の断簡について」と題した講演は、最初少し冗談を交えながらも古典文学のポイントを分かりやすく解説され、徐々に「小野ワールド」に引き込まれていく感じでした。そして断簡についての本題部分は、非常に興味深い内容でした。

 

断簡に関する主なポイントは、

①この断簡は伝わっている物の中でも少ない種類の隆達節である。

    ➡️ 珍しいもの!

②実物からしか読み解けないことがある。

    ➡️ 筆跡・紙の風合い・紙の大きさ 等々。

③他の実物との比較が大事。

   ➡️ 比較して新たに分かることがある。

などが挙げられます。

 

上記三点と小野先生が解説された古典籍を読み解くポイントを総合すると、隆達節の真実が色々と分かるのです。いつ誰がどんな風に書いたのか、どんな形で世に出ていたのか、どんな風に使われ誰が手にしたのか。決してたくさんの事柄ではありませんが、小さい事実を積み重ねることによって導き出される答えは、紛れもない真実なのです。その事を実感しながら「隆達節の真実」に触れることが出来た講演会でした。合掌

文化財公開の前半が終了

秋季堺文化財特別公開2018

11月3・4・10・11日の四日間、大阪府堺市で開催される秋季堺文化財特別公開の初日と二日目が無事に終わりました。

両日とも好天に恵まれ、ほかほか陽気の中大勢の方々にお越しいただきました。

お越しいただいた方々には、堺観光ボランティア協会のガイドさんが丁寧に当寺の歴史や展示品の説明をしていただけるので、本当に助かっています。

 

これからは一旦小休止を取り、10日11日の後半二日間に再び公開を行います。

当寺では11月10日午前11時~12時の日程で「第7回 隆達忌講演会」を合わせて行います。

戦国時代の流行歌・隆達節に関わる講演会ですので隆達節にご興味のある方や、これを機会に堺のお寺めぐりや歴史探訪をしようとお考えの方は、是非とも当寺にお越し下さいませ。心よりお待ち申し上げております。合掌

第7回 隆達忌講演会のご案内

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 大東市での講座が終わりましたが、顕本寺の10月11月は行事が目白押しです。(正直身体が2つ欲しいです)当山では来月11月10日(土)に「第7回 隆達忌講演会」を開催致します。

 当講演会は、戦国時代から江戸時代にかけて一世を風靡した流行歌・隆達節の魅力を広く伝えるべく、毎年行われている貴重な講演会です。本年は特に、新たに発見された「隆達節断簡」を堺文化財特別公開(11月3・4・10・11日の4日間)にて初公開いたしますので、俄然注目の講演会となっております。

 御講演いただくのは隆達節を日本で1番良く知っている大阪教育大学の小野恭靖先生です。(7回とも小野先生)今年の題名は「顕本寺蔵の隆達節の断簡について」です。まさに現説の如く初公開する新史料の解説をしていただく予定です。どんな内容になるか、今からとても楽しみです。

 もしもご興味のある方がいらっしゃいましたら、是非この機会に当講演会に御参加くださいます様、謹んでご案内申し上げます。合掌 

 

【記】

 

第7回 隆達忌講演会(りゅうたつきこうえんかい)

  日時:11月10日(土)午前11時~12時(開場は午前10時40分)

  場所:顕本寺・本堂 (大阪府堺市宿院町東4-1-30)

  内容:戦国・江戸時代の流行歌・隆達節に関する講演会

  題名:「顕本寺蔵の隆達節の断簡について」

  講師:小野恭靖先生 (大阪教育大学教授)

  参加費:無料

  参加方法:当日直接会場へ

  定員:100名(お1人様1枚 もれなく隆達節クリアファイルを御進呈)

  問合せ:顕本寺 菅原 (072-232-3964)

以上

三好家中の法華信仰

大東市市民講座(2018)

台風21号の後に秋のお彼岸法要が控えるなど、9月はバタバタとした日々を過ごしておりました。そんな中、10月に入ってからすぐの10月6日に大阪府大東市の「いいもりぷらざ」において、「三好長慶&飯盛城 市民サポーター養成講座」がありました。今回ご縁をいただいて当講座の講師を務めることになり、「三好家と法華宗」という題で90分お話をさせていただきました。拙い話にもかかわらず、講座に参加された方々は皆さん熱心に耳を傾けていただき、最後には様々な角度からの質問もありました。日頃から良く勉強をされているんだなと感じた次第です。

さて、今回は三好家と法華宗の繋がりを紐解く中で、前半に堺幕府、後半に今までの講演で充分にお話出来なかった「三好家中の法華信仰」と「永禄の規約に関する動向」のボリュームを少し膨らませて、お話をさせていただきました。

三好家の当主である三好長慶は、友好的ではあるものの法華信者という確かな形跡は見られません。しかし弟の三好実休には法華信仰の記述が残っており、実休に関してはバリバリの法華信者であると言えます。そしてかの有名な松永久秀も熱心な法華信者であること、他の三好家中の武将の法華信者のお話もさせていただきました。

私自身まだまだ知らない事がたくさんある中で、講座に参加された方々とともに三好家を読み解く機会をいただきましたこと、大変有り難く思っています。今回当講座に御参加いただいた皆様、そして講座の準備などでお世話になった大東・三好長慶会の皆様に謹んで感謝申し上げます。合掌

殺生いたすべからず-うらぼん2018-

盂蘭盆施餓鬼法要2018
7月末から始まったお盆参りも、一昨日8月26日に奉修致しました「うらぼん(盂蘭盆)法要」で締めくくりとなりました。
 
七月盆の所も含めれば約2ヶ月間、日本全国でお盆参りが行われていたことになります。
 
今年のお盆は日本全国、そして堺市も暑かった!(先日の堺市は最高気温39.7度)
 
うらぼん法要当日も猛暑を思わせる気温でしたが、たくさんのお参りをいただきました。
皆さんとともにご先祖の塔婆供養と読経、そして今年は皆さんに団扇太鼓をお渡しし、全員で太鼓を叩きながらお題目を唱えていただきました。
 
法要終了後には恒例の住職法話。
今回の法話は「殺生、いたすべからず」と題し、殺生についての仏教の考え方を少しお話しました。
ちょうどお盆にあたる8月15日の終戦記念日には、戦争で亡くなった多くの方々の事を改めて想います。
その中で仏教における殺生の考え方を探ると
 
①自ら殺生してはならない
②他に殺生させてはならない
③他の殺生を容認してはならない
 
の3つが示されていました。
直接に人を殺めなくても、戦争を主導すれば、殺生するように命令すれば、それは大きな罪になることを仏教では説いています。
 
戦後70年以上経って、戦争に対する考え方が少しずつ変わってきている中、仏教の考え方から改めて「戦争」の罪業を理解する必要があると強く感じたうらぼん法要でした。合掌
  • 第7回元長忌(2018 6月24日)

    第7回元長忌①

  • 第7回元長忌(2018 6月24日)②

    第7回元長忌②

  • 第7回元長忌(2018 6月24日)③

    第7回元長忌③

  • 第7回元長忌(2018 6月24日)④

    第7回元長忌④

  • 第7回元長忌(2018 6月24日)⑤

    第7回元長忌⑤

  • 第7回元長忌(2018 6月24日)⑥

    第7回元長忌⑥ 講演会

  • 第7回元長忌(2018 6月24日)⑦

    第7回元長忌⑦ 講演会 折紙

  • 第7回元長忌(2018 6月24日)⑧

    第7回元長忌⑧

  • 第7回元長忌(2018 6月24日)⑨

    第7回元長忌⑨ 奉納刀剣「銘 月山」の記念撮影会

  • 第7回元長忌(2018 6月24日)⑩

    第7回元長忌⑩ お食事会での挨拶

  • 第7回元長忌(2018 6月24日)⑪

    第7回元長忌⑪ うた蓮歌を吟ずる

第7回元長忌を奉修致しました

第7回元長忌(2018 6月24日)
土曜日の雨が嘘のような快晴に恵まれた6月24日、大阪府堺市・顕本寺において第7回元長忌(主催 元長忌実行委員会)を奉修致しました。
 
午前10時より三好元長公の487回忌追善法要と脇差「銘 月山」の奉納法要を行い、またその中で去る6月18日に発生した大阪北部地震の犠牲者追弔供養も合わせて行いました。
 
そして11時30分より千田康治先生の「武家の名門の象徴・三好一族と名刀」と題した記念講演がありました。
講演の中では、刀が武家のステータスや格を示す大事なものであると同時に、三好一族が所持していた刀は後に織田信長や豊臣秀吉、徳川家康などの権力者に伝わっていく貴重な物が多くあるとのお話があり、改めて三好一族の力やその文化的造詣の深さを知る事が出来ました。
そう言えば茶道具なども三好一族は多くの名品を所持していましたので、さしずめ刀剣・茶道具の名品コレクターと言った所でしょうか。
 
また刀剣に纏わる事柄が語源の「折紙つき」についても、本阿弥家が発行した本物の折紙をご持参し見せていただきました。
現物を見るのはいつでもワクワクしますね!
 
講演会終了後は「銘 月山」の記念撮影会を行い、多くの参加者の方が、マイカメラやマイ携帯で写真を撮影されていました。
 
そして元長忌の締め括りは顕本寺講堂に場所を移した食事会。
講演に関する話や、三好一族に関する話で盛り上がり、最後は徳島・三好長慶会代表の出水康生先生から、三好長慶NHK大河ドラマ誘致推進協議会設立の報告と、これからの更なる活動の活性化についての挨拶がありました。
この推進協議会設立はテレビや新聞、ネットニュースなどにも取り上げられたようですね。
これからの活動が楽しみであると同時に、大事な局面になってきますね。
それぞれに力を出しあって、良い誘致活動が出来ればと思いました。

今回の元長忌ご参加の皆様、また受付などでお手伝いいただいた堺ちくちく会の皆様(いつも大変お世話になりありがとうございます)、その他ご協力いただいた多くの皆様に感謝申し上げます。
また来年、第8回元長忌もどうぞよろしくお願い致します!(今から来年のアイディアを練ります)合掌

第7回 元長忌(げんちょうき)のご案内

第7回元長忌(2018)
今年も元長忌のご案内をする季節がやって参りました。
今年で7回目を数える元長忌は戦国時代の武将・三好元長(みよしもとなが)の供養と顕彰を目的としたイベントです。
毎年6月に堺市・顕本寺にて開催される当イベントは、元長の供養法要と三好家に纏わる講演会、そして参加者の親睦を深めるお食事会を行っています。
 
今年のテーマはずばり「三好家と刀剣」。
日本の刀剣が様々な所で取り上げられていることは皆さんもご承知の事と思います。
またその火付け役となったゲームキャラクターの中にも、三好家とゆかりのある刀剣類がたくさんあります。
 
今回の元長忌は三好家と刀剣の繋がりを中心に、高槻市立しろあと歴史館学芸員・千田康治先生にご講演いただきます。
千田先生は昨年の1月に発売された大阪春秋165号「いまよみがえる三好長慶の世界」に三好家と刀剣の繋がりについて寄稿をされています。
 
またこの度の元長忌では、三好家との直接の関係はありませんが、「銘・月山」の刀剣奉納法要と記念撮影会を合わせて行います。
この月山については後日FBなどで由来などの情報をお伝えする予定です。
 
本イベントは、戦国の荒波に確かな足跡を残した三好一族の業績を振り返る貴重な講演会イベントとなっていますので、御興味のある方は是非ご参加いただきますよう、お願い申し上げます。合掌
  
【概要】

第7回元長忌

【日時】
6月24日(日)午前10時より開始

【場所】
大阪府・堺市 顕本寺にて
⦅大阪府堺市堺区宿院町東4-1-30⦆

【内容】
三好元長・供養法要並びに名刀・月山 奉納法要 → 午前10時~ 
記念講演会 → 午前11時30分~12時30分頃
刀剣記念撮影会 → 講演会終了後
お食事会 → 撮影会終了後

【講師】
千田康治 先生
「武家の名門の象徴に三好一族と名刀」
午前11時30分~12時30分頃
(受付開始は午前10時より)

【定員】講演会 → 130名 (当日先着順)
     お食事会 → 70名(事前申込が必要。6月15日締め切り)

【参加費】お1人500円(資料代・限定グッズ付)
(お食事会は事前申込が必要。お1人2000円。6月15日締め切り)

【申込方法】講演会・法要 → 当日先着順
     お食事会 → 下記問合せ先にTELまたはFAX。6月15日締め切り。

【問い合わせ先】TEL・FAX 072ー232-3964 元長忌実行委員会 菅原まで

【主催】元長忌実行委員会

日蓮聖人の言葉~花は根にかえり~

日桑上人 朱扇「花は根に還る」
昨日4月28日は、日蓮聖人が千葉県の旭が森において、南無妙法蓮華経とお唱えされた日です。
私たちはこの4月28日を、日本における「法華宗開宗の日」と位置付けています。
 
各地域や各寺院ではそれぞれのやり方でこの「開宗の日」を迎えておられることでしょう。
 
私も法華経読誦とお題目をお唱えし、開宗の日を迎えました。
その時にお読み上げした日蓮聖人の言葉が、題名の「花は根にかえり」であります。
 
「花は根にかえり、真味は土にとどまる。この功徳は故・道善坊の聖霊の御身にあつまるべし。」
 
上記の一節は日蓮聖人が師匠の故・道善坊に捧げた「報恩抄」という書物に書かれたものです。
日蓮聖人はこの言葉の中で「花が咲いているのは根っこのお陰。私の善い行いは私を育ててくださった師匠の功績なのです。私の積んだ善い功徳は師匠の聖霊に集まるのです」と師に対する感謝の念と温かい想いを書き記されました。
 
(不肖私も師である父親の供養をする時は必ずこの一文を読み上げます。写真の朱扇は師の晋山時の記念品です)
 
この文章をさらに突き詰めていくと、自分の善い行いは師匠だけでなく、親や家族や恩師や友人や知人など、自分を育んでくれた周りの人達の功績なんだと気付かされます。
 
「花は根にかえり」の言葉、これからも大事にしていきたいと思います。合掌

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