隆達節の真実~第7回隆達忌講演会~
11月3・4・10・11日の4日間に亘って開催されました「秋季堺文化財特別公開」が無事終了致しました。準備や当日運営でお世話になりました関係各位の方々、そしてお越しいただいたたくさんの方々に感謝です!
当山では本公開に合わせて、11月10日に第7回隆達忌講演会を開催致しました所、例年よりたくさんの御参加をいただき、本当に有り難く思っております。
さて今回の隆達忌では前6回と同じく大阪教育大学の小野恭靖先生にご講演を賜りました。「顕本寺蔵の隆達節の断簡について」と題した講演は、最初少し冗談を交えながらも古典文学のポイントを分かりやすく解説され、徐々に「小野ワールド」に引き込まれていく感じでした。そして断簡についての本題部分は、非常に興味深い内容でした。
断簡に関する主なポイントは、
①この断簡は伝わっている物の中でも少ない種類の隆達節である。
➡️ 珍しいもの!
②実物からしか読み解けないことがある。
➡️ 筆跡・紙の風合い・紙の大きさ 等々。
③他の実物との比較が大事。
➡️ 比較して新たに分かることがある。
などが挙げられます。
上記三点と小野先生が解説された古典籍を読み解くポイントを総合すると、隆達節の真実が色々と分かるのです。いつ誰がどんな風に書いたのか、どんな形で世に出ていたのか、どんな風に使われ誰が手にしたのか。決してたくさんの事柄ではありませんが、小さい事実を積み重ねることによって導き出される答えは、紛れもない真実なのです。その事を実感しながら「隆達節の真実」に触れることが出来た講演会でした。合掌