春季彼岸会と四恩
当山では彼岸の入りに当たる3月18日に春季彼岸会の法要を厳修致しました。
檀信徒の皆様が申し込みをされたお塔婆をお供えし、各家のご先祖様の供養を行いました。
古来より営まれているこの彼岸の仏事が、現代に生きる我々の心を豊かに、そして穏やかにしてくれます。
これからも大事にしたい日本文化の1つですね。
法要終了後は「報いるべき四つの恩」と題して住職法話を行いました。
昨今の思想変化、特に人と人の繋がりに感謝する気持ちの有無に関して、少し思う所がありましたので「恩」という考え方を基に話をしてみました。
私達は1人で生きている訳ではありません。
家族は勿論ですが、家族以外の様々な人達がいてくれる事によって生活が成り立っています。
いくらお金を持っていても、自分でお米を作ることは出来ません。
自分で家を建てることは出来ません。
自分で電車を運転することは出来ません。
(今電車に乗っていますので)
お米は農家の方が、家は大工さんが、電車は運転士さんが、それぞれ特別な技術を駆使して担ってくれています。
いくらお金を持っていても、担い手の方々がいなければ、私達は何のサービスも受けることが出来ません。
社会は広く細かく分業しながら成り立っていると言えるでしょう。
その事に気付き、その事に感謝すること。
「恩」という考え方はその部分を、優しく教えてくれる考え方なのです。
会ったことのない多くの方々の存在が、実はとても有難いことであると気付けば、自然と感謝の気持ちが持てると思っています。合掌