第6回 隆達忌講演会を開催
第1回から毎回ご講演いただいているのは、隆達節研究の第一人者である大阪教育大学の小野恭靖先生です。
毎年テーマを変えながら、隆達節の魅力についてお話をいただいております。
今回は「隆達節の心と言葉~中世歌謡から近世歌謡へ~」と題してご講演いただきました。
小野先生は「日本歌謡史」や「日本芸能史」の研究をご専門とされながら、「ことば遊び」や「洒落」の研究にも精通されているので、私たちに馴染みのある言葉と、昔に使われた歌謡中の言葉の関連を分かりやすくお話いただきました。
まさに「ことばの魔術師」といった感じです!
隆達節は歌謡のなかでも「室町小歌(むろまちこうた)」に分類され、中世小歌の
完成形と言われています。また江戸時代から始まる近世歌謡の特徴も随所にみられることから、新時代の歌謡のはしり的な役割を果たしていると指摘されました。
その特徴的な言葉として、それまでの歌謡であまり使われなかった「君」や「そなた」などの「相手を指す言葉」を挙げておられました。
先生が最後に「(私)から(君)へ。隆達節は日本歌謡の歴史の転換を担った特別な歌謡なのです」と力説されていました。
隆達節の魅力を改めて知ることの出来た、貴重な講演会となりました。合掌