顕本寺ブログ

第6回 隆達忌講演会(2017年11月4日)

第6回 隆達忌講演会を開催

第6回 隆達忌講演会
晴空に恵まれた11月4日、大阪府堺市の顕本寺において、第6回隆達忌講演会が開催されました。顕本寺ではお寺ゆかりの戦国時代流行歌・隆達節に纏わる講演会を毎年行っています。

第1回から毎回ご講演いただいているのは、隆達節研究の第一人者である大阪教育大学の小野恭靖先生です。
毎年テーマを変えながら、隆達節の魅力についてお話をいただいております。
今回は「隆達節の心と言葉~中世歌謡から近世歌謡へ~」と題してご講演いただきました。

小野先生は「日本歌謡史」や「日本芸能史」の研究をご専門とされながら、「ことば遊び」や「洒落」の研究にも精通されているので、私たちに馴染みのある言葉と、昔に使われた歌謡中の言葉の関連を分かりやすくお話いただきました。
まさに「ことばの魔術師」といった感じです!

隆達節は歌謡のなかでも「室町小歌(むろまちこうた)」に分類され、中世小歌の
完成形と言われています。また江戸時代から始まる近世歌謡の特徴も随所にみられることから、新時代の歌謡のはしり的な役割を果たしていると指摘されました。

その特徴的な言葉として、それまでの歌謡であまり使われなかった「君」や「そなた」などの「相手を指す言葉」を挙げておられました。
先生が最後に「(私)から(君)へ。隆達節は日本歌謡の歴史の転換を担った特別な歌謡なのです」と力説されていました。

隆達節の魅力を改めて知ることの出来た、貴重な講演会となりました。合掌

戦国時代の流行歌を作った人物 ~ 高三隆達 ~

高三隆達の肖像画(顕本寺蔵)
来月11月4日に大阪府堺市・顕本寺で開催する「隆達忌講演会」に先だって、戦国時代に流行した歌謡の作者をご紹介いたします。
 
作者の名前は「高三 隆達(たかさぶりゅつたつ)」。
(写真は後代に描かれた隆達肖像画。顕本寺蔵)
歌謡の名前は「隆達節歌謡」または「隆達小歌」と言われています。
 
実は隆達の生涯を纏まった形で正確に伝える文書がなかなか無いので、各史料を総合的に捉えた説でご紹介いたします。
 
隆達は室町時代の大永7年(1527)、現在の大阪府堺市に生まれました。
生家は有力な薬種商「高三家」だったと伝わっています。
その家の末子として育った隆達でしたが、商売を継ぐ立場ではなかったので、早くに仏門に入ります。
隆達は出家して、高三家が信仰していた法華宗・顕本寺に僧侶として居住しました。後に隆達は、顕本寺の境内地に高三家が建てた「高三坊(こうさんぼう)」という塔頭寺院の住職になります。

隆達が僧侶になってから数十年の後、兄が亡くなり本家を幼少の甥が継ぐことになりました。隆達は家業を補佐する為に僧侶を辞める、いわゆる還俗をします。
還俗した時期は正確には分かりませんが、隆達が「羅漢講式」という仏教書を書写したものが伝わっており、これを書写した年代が天正16年(1588)となっていますので、少なくとも天正16年頃までは僧侶として生活し、その後の天正末期から文禄年間に還俗したと思われます。
 
還俗した後は本家の商売を補佐する傍ら、僧侶時代に会得した声明や、その時に学んだ和歌や古歌に節を付け、時には自ら詞を作って節付けをし、自分流の歌謡を作り上げました。
また隆達は書にも通じ、隆達の書風は「堺流」と称されました。
 
隆達は自らが作り上げた隆達節を歌ったり、歌本にして交流がある人に贈ったりしていたようです。
隆達節はたちまちに評判になり、歌本を所望する人が数多く現れました。
上層の武士や町人の間で人気になり、また口づたいに世間に広まった結果、巷の流行歌となっていったのです。
時の権力者であった豊臣秀吉にも召し出され、御伽衆に名を連ねたとも伝わっています。

戦国の激動から新たな時代の幕開けへと変化する世を生き抜いた隆達は、慶長16年(1611)11月25日、85歳の長寿で没しました。
自分の想い、そして時代を生き抜いた多くの人々の想いを歌に託し、一大流行歌を作った隆達は、現在顕本寺の境内地に静かに眠り、平成の世を見守っています。合掌

今年も隆達忌講演会を開催致します。

隆達忌講演会②
突然ですが、皆さんは「戦国時代の流行歌」をご存知ですか?
いわゆる「現代の流行歌」とは異なりますが、実は戦国の世にも流行歌なるものが存在しました。

その歌は作者の名前を取って「隆達節(りゅうたつぶし」と呼ばれています。
昨今は学校の教科書にも、文化・芸能の一分野として紹介されている隆達節。
隆達節の中には、あの「君が代」の歌詞も含まれているとか。

この隆達節を少しでも知っていただこうと、作者・高三隆達(たかさぶりゅうたつ)が眠る顕本寺(大阪府堺市)において、第6回隆達忌講演会を開催することとなりました。

隆達忌講演会は、毎年命日である11月25日の前後に、隆達節についての講演を行うイベントです。
(今年は11月4日です。)

講師には隆達節研究の第一人者である、小野恭靖先生(大阪教育大学教授)をお招きし、歌の内容、歌の時代背景、歌に纏わる逸話や当時の歌事情など、様々な視点からの講演を聴くことが出来ます。

参加費は無料となっておりますので、興味のある方、隆達節の名前を初めて耳にした方など、気軽に当講演会に参加いただければと思います。

隆達節に関する事柄はFBなどで、講演会までに随時ご紹介させていただく予定ですので、こちらもよろしくお願い致します。合掌


   (記)
【第6回 隆達忌講演会】
 
〈日時〉:平成29年11月4日(土)
    午前11時~12時
〈場所〉:顕本寺(大阪府堺市堺区宿院町東4-1-30)
〈内容〉:戦国時代の流行歌・隆達節についての講演会
〈講師〉:小野恭靖 先生(大阪教育大学教授)
〈演題〉:「隆達節の心と言葉ー中世歌謡から近世歌謡へー」
〈定員〉:130名 当日先着順
〈参加費〉:無料
〈特典〉:隆達節・特製クリアファイルをお一人様一枚進呈
〈参加方法〉:当日直接会場にお越しください
〈問合せ先〉:顕本寺  菅原まで
   (TEL&FAX )072-232-3964
   (HPからのメール)http://kenponji.com/contact.html

盂蘭盆施餓鬼法要

盂蘭盆法要2017
約1ヶ月ぶりの投稿です!
その間何をしていたのかと言うと、
 
◯お盆の準備
◯お盆のお参り
◯お寺でのお盆法要
◯他のお寺でのお盆法要
 
に邁進していました。
 
このお盆の時期が、お寺にとって1年で一番忙しい時期になります。
文字通り首が回らない状態でしたので、なかなかブログの更新が出来ず、今日に至ってしまいました。
 
お盆とは、皆さんもご承知の通り「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と呼ばれる仏教行事です。この盂蘭盆会、もともとはインドの雨季に行われていた「自恣(じし)」の時、お釈迦様・僧侶・僧団に対して供養をすることが起源と言われています。
それが中央アジアや中国などを経て日本で「仏様である先祖の霊に、たくさんの供物を供え、供養をする行事」として定着しました。
 
「盂蘭盆」の語源は様々な説がありますが、定番の「倒懸」説や「盆器」説ではなく、ここではイラン語で霊魂を意味する「ウルバン」から音写された説を採用します。
この「盂蘭盆会」、日本では奈良時代から行われていたそうです。
また「盂蘭盆施餓鬼法要」は盂蘭盆会と施餓鬼会が合わさって法要が行われていることをご存知ですか?
 
◯盂蘭盆会は先祖に供える。
(7月か8月に行う)
◯施餓鬼会は餓鬼に供える。
(いつ行っても良い)
 
これらの事からお盆の時期には、まずそれぞれのご家庭にお参りをし、ご先祖と餓鬼を供養し、その後お寺にて更にご先祖と餓鬼を供養する法要を行うことが一般的となっています。
 
自分に連なるご先祖様を大切に想う事はとても尊いことです。
真心を込めてご先祖様の供養をしっかり行えるこの「盂蘭盆」という行事が、これからも日本で長く続いていく事を願っています。合掌

隆達小歌が紹介されます。

高三隆達のパネル
7月も半ばを過ぎました。

真夏ではないでしょうが、それでも毎日暑いですね。

私はお寺の住職として、日々お盆の準備に追われています。
そのお盆を迎える前に、ここでテレビ放送のご案内を致します。
 
三重テレビ制作のテレビ番組
「音楽の源流~御食国の鼓動~」
の第3回で、顕本寺と隆達小歌が紹介されます。
 
三重テレビや複数のテレビ局では既に放送されたようですね。
(当寺にはDVDが届きました)
 
関西圏の放送局と時間は
○KBS京都 7月20日(木)19時~
○サンテレビ 7月23日(日)11時~
です。
 
室町小歌の最後を飾り、かつ近世芸能の嚆矢と言われている隆達小歌。(写真は高三隆達のパネル)
 
歌舞伎のルーツとして有名な阿国歌舞伎の中には、隆達小歌の歌詞が使われている事から、その影響が指摘されています。
 
日本の音楽や芸能にご興味のある方は、是非ご覧いただければと思います。合掌
 
(音楽の源流  公式サイト)
http://www.mietv.com/ongaku/

白い蓮の花が咲きました。

白い蓮の花
元長忌が無事に終わり、次はいよいよお盆のお参りが始まります。
 
大阪では8月にお盆参りがあり、檀信徒の各ご家庭をお参りして、ご先祖様のご供養を行っています。
 
お寺にとっては、1年の中で1番忙しい時期といえますね。
 
「準備をしっかりせねば!」と思いながら、作業をしておりますと、お寺にある蓮の花が綺麗に咲いているのを発見しました!
 
花の色は白色、いわゆる白蓮華です。
 
インドでは白蓮華は最も勝れた花の一つと言われています。
 
この白蓮華が名前についているお経が、皆さんご承知の「法華経」です。
 
「法華経」はインドの言葉で「サッダルマ・プンダリーカ・スートラ」と呼ばれています。
 
この「プンダリーカ」の部分が白蓮華の事を指し、これを日本語に訳すと「白蓮華のように最も勝れた正しい教え」となります。

法華経の素晴らしさを、白蓮華を比喩にして強調し、最も勝れたお経であることを伝えている訳なのです。
 
当寺の境内に咲いている白蓮華を拝見しながら「今年のお盆も、法華経とお題目の教えに基づいて、お盆参りに励もう」と思えた1日となりました。
 
合掌

第6回 元長忌(2017年6月25日)

第6回元長忌が開催されました。

第6回 元長忌
6月25日(日)大阪府堺市・顕本寺に於いて、毎年恒例の元長忌が開催されました。
当日は生憎の雨模様となり心配致しましたが、お蔭を持ちまして多くの方にご参加いただきました。
 
12時から行われた三好元長の追善法要の中で、
「三好元長、没後485年」と読み上げた時、改めて時の流れを感じました。
元長の子供たちは、485年前に起こった父の死に際し、またその後の1周忌などの法事を迎える中で、どのような気持ちだったのか。
三好兄弟の気持ちを想いながら読経致しました。
 
13時から始まりました吉田豊先生の記念講演「自由都市堺と戦国三好一族」では、中世に「自由なる都市」と呼ばれた堺の町、そしてその堺の町と三好一族との関連を、豊富な資料を元に分かりやすくお話いただきました。
 
個人的には、武野紹鴎の父と三好家との関係性に興味ありです!
 
講演会終了後には、顕本寺の大広間にて恒例のお食事会。
 お弁当を囲みながら、三好家の話や歴史の話、最近の活動に関する情報交換・情報共有などに話が弾みました。
 
直接お顔を合わせて、色々なお話が出来ることがとても有難いですね。
 
ご参加いただいた皆様と来年の再会を約束し、第6回元長忌は無事にお開きとなりました。
 
ご参加下さった皆様、お手伝いいただいた「堺ちくちく会」の皆様、ご遠方より足をお運び頂いた三好長慶会・出水先生、皆様本当にありがとうございました!合掌

元長忌の限定グッズが届きました

元長忌限定グッズ1
元長忌まで残す所あと3日!
本日、ようやく元長忌の限定オリジナルグッズが届きました。


この小さい箱の中身がそのグッズです。


粗品ではありますが、今回の元長忌に参加していただいた方のみに進呈する予定です。


さてどんなグッズか?
 
それは当日のお楽しみ、ということでどうかご容赦くださいませ。
 
第6回元長忌は6月25日(日)、大阪府堺市の顕本寺において開催致します。
 
オリジナルグッズとともに、三好元長の追善法要や記念講演会などを催しますので、ご参加のほど宜しくお願い致します。
 
(元長忌 開催要項はこちら)
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=388060578260730&id=319718225094966

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