顕本寺ブログ

小説の中の隆達~第8回・隆達忌講演会

HPは久しぶりの投稿になります。先日11月4日に第8回・隆達忌講演会を、ここ堺・顕本寺にて開催致しました。
当講演会は、戦国時代から江戸時代の始めにかけて大流行した歌謡「隆達節」に関する講演会です。「隆達節」を歌ったのは、顕本寺に僧侶として長年在籍し、後に還俗した人物「高三隆達」という人物です。
 
隆達と直接関係が深い当寺では、毎年11月頃(隆達の御命日が11月25日による)に講演会を開催し、今年で8回を数えるに至りました。
 
第1回からご講演をお願いしている小野恭靖先生(大阪教育大学教授)が、今年も講師としてお話をいただきました。

題名は「歴史小説の中の隆達と隆達節」。
このご講演を拝聴して、意外にも多くの有名小説家が、隆達や隆達節を引用していることが分かりました。菊地寛、谷崎潤一郎、有吉佐和子、小松左京などなど。やはり戦国時代から江戸時代始めに流行した歌謡という位置付けから、歴史小説を書くにあたって格好の材料になるようですね。
 
また小野先生はご講演の中で「小説家は作品に時代感を出すため、隆達節を引用し隆達を登場させたのではないか」とおっしゃっていました。
現代を生きる私たちは過去を歴史で知るのみで、実際に戦国時代や江戸時代を生きた訳ではありません。それは小説家の方も同じなのです。その中でいかに戦国時代や江戸時代当時の雰囲気を描くか。小説のとても重要な部分のように思います。
「隆達節」が今後も様々な歴史小説などに引用されるよう、これからも「隆達節」の魅力を発信し続けていきたいと思います。合掌

三好長慶のイラスト入り・パンフレットが完成しました!

現在活動中の「三好長慶NHK大河ドラマ誘致推進協議会」から、この度「三好長慶パンフレット」が発行されました。上記協議会の理事をさせていただいている関係で、今回この三好長慶パンフレットの作成に関わらせていただきました。
 
本パンフレットの目的は、戦国時代に信長に先んじて天下を治めた武将・三好長慶の業績を、広く一般の方々にも知っていただき、大河ドラマ実現に向けての雰囲気を盛り上げていく事となっています。
 
このパンフレットは、天理大学の天野忠幸准教授の協力のもと、
①三好長慶イラスト
②三好長慶の紹介文
③三好長慶の略年表
④三好長慶ゆかりの地案内図
⑤三好長慶をめぐる人々(相関図)
⑥推進協議と関連行事について
などの文章や写真・図を盛り込み、より分かりやすく三好長慶について知る事が出来るものになっています。
 
本パンフレットのデザインは、堺市在住の山本ゾンビ氏(山本書院グラフィックス)にお願いし、また表紙のイラストは新潟県在住のヤマザキミコ氏に描いていただきました。
ヤマザキ氏は日本イラストレーター協会主催の「イラストレーター・オブ・ザ・イヤー2017」において最優秀商品イラスト賞を受賞されるなど、今後の活躍が期待されているイラストレーターです。
 
大河ドラマ誘致推進協議会は、このパンフレットを活用して、今後さらなる活動の活性化を図って参りますので、ご興味ご賛同いただける方々は是非、ご一読いただければと思います。合掌
 
*三好長慶パンフレットを希望される方は、下記までお問い合わせください。
 
(宛先)
徳島県人会近畿連合会事務局内
「三好長慶NHK大河ドラマ誘致推進協議会(関西)」
 
(連絡先)
【E-mail】kinki-tokushima@lion.ocn.ne.jp
【TEL&FAX】06-6251-0666
 

第8回 元長忌を開催!

第8回元長忌(2019 6 16)⑨
 去る6月16日は、前日の雨天が嘘のように晴れ間が指しこみました。堺幕府の中心人物・三好元長の供養と顕彰を目的とした元長忌(げんちょうき)。8回目となった今年も多くの方々にお参りいただきました。
 また今回はJ:COMの取材があり、J:COMチャンネル(地デジ11チャン)6月20日夜6時30分から放送の「デイリーニュー~南大阪~」にて元長忌が取り上げられるとのことです。
 
 11時より始まりました488回忌の追善法要では、お参りいただいた皆様お一人お一人にお焼香をしていただきました。立ち上るお香を見ながら、皆様の供養の気持ちは、500年の時を越えて必ず元長に届いている!と強く思い、一心に唱題致しました。
 
 12時からは歴史時代作家の三日木 人(みかぎ じん)先生による「三好長慶━その知られざる人物像」の記念講演会。歴史の事実を基に、創造力膨らませて「物語」を作り出していく。講演を聴きながら時代作家の方はこうやって小説を書き上げていくんだなと思い、とても勉強になりました。(自分でも書いてみたくなりました)
 
 三日木先生が書かれた三好長慶を主人公にした小説『新・三好長慶伝~龍は天道をゆく~』は幻冬舎さんから10月22日に出版される事が決まったとのお話も出ましたので、まさに情報を先取りした講演会となりました。
 
 講演会終了後は、事前申込みをいただいた方々と講師先生を囲んでの恒例お食事会です。徳島県人会近畿連合会の木岡会長にご挨拶をいただいた後、ご参加の皆様と和気あいあいとした雰囲気でお食事をいただき、また三好に関する様々な話で盛り上がりました。
締めは三好長慶会代表の出水先生による、閑吟集からのエイエイオーをもって無事盛会の中お開きとなりました。
 
 6月19日にはNHK総合テレビ「歴史秘話ヒストリア」にて三好特集が放送されるなど、いよいよ三好氏が注目される中、NHK大河ドラマ実現に向けて更なる三好旋風が巻き起こることを期待したいと思います。
 
 今回元長忌にご参加いただいた皆様、お手伝いいただいた皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。合掌

第8回元長忌(げんちょうき)の御案内

第8回元長忌(2019)
しばらく更新から遠ざかってしまいましたが、令和に変わって心機一転。
今年も元長忌のご案内を致します。
今年で8回目を数える元長忌は、戦国時代の武将・三好元長(みよしもとなが)の供養と顕彰を目的とし、毎年6月20日(元長の御命日)前後に堺市・顕本寺において開催されています。
三好氏と言えば6月に「歴史秘話ヒストリア」での放送が予定されており、昨今様々な場所で取り上げられることが増えてきました。
 
今年の元長忌は6月16日(日)開催です。
そして今年のテーマは「三好と小説」です!
 
三好長慶を題材にした小説は、過去に数冊出版されていますが、あまり広く知られていません。三好長慶の知名度が高くないということと、現在までの三好長慶への評価がそうであったように、どうしても「精神病を患う」とか「家臣に乗っ取られる」といった暗いイメージになりがちでした。(上記二点は偏った見方なのですが)
 
今回ご講演いただく三日木人(みかぎじん)先生は、歴史時代作家として二作品を世に送り出しています。
そして三作目に三好長慶を主人公にした小説を執筆され、今秋頃に出版される予定となっております。
この度はご縁をいただきまして、ご講演を賜ることとなりました。
 
小説そのものを皆様のお手元にお渡し出来ませんが、小説出版に先立って、三好長慶という人物をどのように描いたのか、作家から見た三好長慶の魅力など、学術的な講演とは一味違った講演になると思います。
 
本イベントは、近年再評価の機運が高まっている三好一族の業績を振り返る貴重な講演会イベントとなっていますので、御興味のある方は是非ご参加いただきますよう、お願い申し上げます。合掌
 
 
【概要】

第8回元長忌

(日 時)  6月16日(日)午前11時より開始
(場 所)  大阪府・堺市 顕本寺にて
(内容と時間) 三好元長・供養法要 午前11時より
       記念講演会  12時~13時頃
       お食事会   講演会終了後
(講 師)  三日木人(みかぎじん) 先生
         「三好長慶ーその知られざる人物像」
            午前12時00分~13時00分の約1時間
              (受付開始は午前11時より)
(定 員)  130名 (当日先着順)
(参加費)  一人500円(お食事会は事前申込みが必要。一人2000円)

                                      以上

掌を合わせる~春季彼岸会を奉修~

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いにしえより「三寒四温」と言うように、今年も気温の寒暖を繰り返しながら春のお彼岸を迎えました。そして当山・顕本寺では、3月24日(結岸)に春季彼岸会を奉修致し、多数の方のご参詣をいただきました。また法要終了後には人形劇団「ともだち王国」によります人形劇も行いました。
 
さて日本のお彼岸は、春分の日を中日として前後3日、合計7日間に亘り仏道修行に励む行事です。お寺やお墓やご自宅のお仏壇などで、仏の道に通じる事を行う期間と考えていただければ良いと思います。
 
そんなお参りの時に必ず行為。それは「合掌」です。
 
合掌は、お墓やお仏壇に手を合わせるという、誰もが自然にする行為です。
合掌は古来インドで行われていた作法が起源で、仏教では仏様を讃嘆する行為や、相手への敬意や感謝の意を形に表す為に用いられます。
 
この合掌、一般的には12種類の合掌(十二合掌)があると言われており、宗派や地域や使う場面に応じて用いる合掌が変わります。(煩雑になるので紹介は割愛いたします)
 
我々法華宗では、この十二合掌のうち「虚心合掌(こしんがっしょう)」を用いる事を基本としています。
 
虚心合掌の形は、
①十指を合わせる。
②手と手の間に卵一個分ほどの空間を広げる。
③合掌の位置は胸の前
を基本とします。
 
諸説ありますが、この虚心合掌は何かを強く念じるのでは無く、自然な心持ちでお題目や仏様・ご先祖さんや親御さんなどに心をお任せする合掌なのです。
 
「南無に南無する」をモットーにする法華宗に、最も適した合掌と言えるでしょう。
 
この虚心合掌の作法によって、大事な人に日々敬いと感謝の気持ちを伝えられる生活を心掛けたいですね。合掌

お祝いも御題目~初講法要2019~

初講法要(2019)

本年もどうぞよろしくお願い致します。当山では1月20日の日曜日に、今年最初の法要「初講(はつこう)法要」を奉修致しました。

午前中は雨模様でしたが法要中は止んだので、お檀家さんの帰宅に影響がなくホッとしております。

 

さて、今年最初の法話は「お祝いもお題目」。お経や唱題は葬儀や法事、いわゆる弔事にするものと思われがちですが、私達法華宗ではその様に考えていません。

もちろん弔事においてもお題目をお唱え致しますが、お祝い事・慶事においてもお経を唱え、唱題を致します。

更に付け加えると、僧侶の衣もほとんど慶弔両用です。

お葬式のお参りをする衣帯(えたい)で、結婚式の法要にも出ますし、お祝いの席でもお題目をお唱えします。

いわゆる「慶弔不二」の考え方です。

鎌倉時代の僧・日蓮大聖人も新年を迎えられた時、

「正月の三日に、種々の物を法華経に捧げ供養しました」と手紙に書かれています。

本来は私達の生活や人生に密着したものが仏教・信仰であり、葬儀は人生の一部「死」を司る部分なのです。

いつでもどこでもお題目。

今年一年はこの気持ちを更に強くし、御題目をお唱えしたいと思っています。合掌

隆達節の真実~第7回隆達忌講演会~

第7回隆達忌講演会(2018 11 10)

 11月3・4・10・11日の4日間に亘って開催されました「秋季堺文化財特別公開」が無事終了致しました。準備や当日運営でお世話になりました関係各位の方々、そしてお越しいただいたたくさんの方々に感謝です!

 当山では本公開に合わせて、11月10日に第7回隆達忌講演会を開催致しました所、例年よりたくさんの御参加をいただき、本当に有り難く思っております。

 さて今回の隆達忌では前6回と同じく大阪教育大学の小野恭靖先生にご講演を賜りました。「顕本寺蔵の隆達節の断簡について」と題した講演は、最初少し冗談を交えながらも古典文学のポイントを分かりやすく解説され、徐々に「小野ワールド」に引き込まれていく感じでした。そして断簡についての本題部分は、非常に興味深い内容でした。

 

断簡に関する主なポイントは、

①この断簡は伝わっている物の中でも少ない種類の隆達節である。

    ➡️ 珍しいもの!

②実物からしか読み解けないことがある。

    ➡️ 筆跡・紙の風合い・紙の大きさ 等々。

③他の実物との比較が大事。

   ➡️ 比較して新たに分かることがある。

などが挙げられます。

 

上記三点と小野先生が解説された古典籍を読み解くポイントを総合すると、隆達節の真実が色々と分かるのです。いつ誰がどんな風に書いたのか、どんな形で世に出ていたのか、どんな風に使われ誰が手にしたのか。決してたくさんの事柄ではありませんが、小さい事実を積み重ねることによって導き出される答えは、紛れもない真実なのです。その事を実感しながら「隆達節の真実」に触れることが出来た講演会でした。合掌

文化財公開の前半が終了

秋季堺文化財特別公開2018

11月3・4・10・11日の四日間、大阪府堺市で開催される秋季堺文化財特別公開の初日と二日目が無事に終わりました。

両日とも好天に恵まれ、ほかほか陽気の中大勢の方々にお越しいただきました。

お越しいただいた方々には、堺観光ボランティア協会のガイドさんが丁寧に当寺の歴史や展示品の説明をしていただけるので、本当に助かっています。

 

これからは一旦小休止を取り、10日11日の後半二日間に再び公開を行います。

当寺では11月10日午前11時~12時の日程で「第7回 隆達忌講演会」を合わせて行います。

戦国時代の流行歌・隆達節に関わる講演会ですので隆達節にご興味のある方や、これを機会に堺のお寺めぐりや歴史探訪をしようとお考えの方は、是非とも当寺にお越し下さいませ。心よりお待ち申し上げております。合掌

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