元長忌(げんちょうき)
戦国時代に畿内で活躍し、
堺幕府の中心人物として室町幕府と戦った武将・
三好元長(みよしもとなが)。その元長の供養と遺徳の顕彰を目的とし、大阪府堺市で開催されているのが「元長忌(げんちょうき)」です。
元長は、畿内に一大勢力を築き上げた三好長慶の父で、長慶が11歳になる享禄5年(1532)6月20日、10万人の一向一揆の軍勢に包囲され、堺の顕本寺で自害しました。顕本寺はその後、長慶・実休などの三好兄弟により、元長の位牌所と定められ、年忌法要などの元長の供養を担っていました。この由緒が、現在の元長忌のもととなっています。
元長忌の第1回は、元長忌実行委員会のもと、平成24年6月20日、元長の御命日に合わせて顕本寺で開催されました。以降御命日に近い6月中旬頃に毎年開催され、今日に至っています。
元長忌では初めに元長の供養を目的として、法華経を読誦する追善法要を顕本寺本堂で行っています。この追善法要は、法要中に参加者全員がお焼香をしていただけますので、僧侶だけでなく一般の方でも、元長の供養を行うことが出来ます。
法要後は同じく本堂にて、三好家に纏わる記念講演会が開催され、毎年三好氏の各分野を研究しておられる著名な先生方をお招きしています。三好氏に興味がある方、また三好氏を初めて知るという方でも分かり易い講演を聴くことができます。
講演会終了後は、顕本寺の講堂に場所を移し、お食事会が開かれています。このお食事会は事前申し込みによって、どなたでも参加することが出来ます。このお食事会で参加者の親睦を深め、また当日の講演会に関する質問や、日頃から持っている三好氏に対する想いを、熱く語らうことが出来る場となっています。
三好元長の供養と遺徳の顕彰はまだ始まったばかりです。これからもこの元長忌を通じて、少しでも多くの方々に三好氏の業績や、三好元長の物語を知っていただければ幸いです。